さまざまなジャンルのクリエイターが愛用する、黒い愛用品。定番品として今も買うことのできるものから、今ではもう手に入らないレアグッズまでご紹介いただきながら、黒のバトンを繋いでいく連載です。

1. マグカップ / WAECHTERSBACH
一般的なカップより一回り大きな黒いボディに、カラフルでキッチュなハート柄のマグカップです。
学生時代アメリカのカンザスシティで短期間過ごした際、生活に必要な最低限のものを揃えた時にスーパーで購入したものです。当時は主にコーヒーやホットミルクを飲むために使用していました。帰国してからはペン立てとして、長年傍にあります。今だったら選ばないかもしれない野暮ったささえ感じる姿は、広大な異国の地で模索、奮闘する当時の自分を思い出させ、見るたびくすぐったくなりながら、それら全部を抱きしめたくなるような存在です。底面のロゴの入り方も実はすごくかわいく、普段は見えない部分だけれど目に入ると嬉しくなります。
黒いマグカップにミルクやラテなど、ミルキー味のある色合いのドリンクだと可愛いだろうな!と想像しながら購入した記憶もあります。実際にはブラックコーヒーを飲む機会も多く、黒くて見えづらいため、熱いうちに飲もうとすると口に入るタイミングを掴めずヤケドしがちだったことも思い出しました。

2. NARROW BOX / IFUJI
井藤昌志さん率いるIFUJIのシェーカーボックス。小さなサイズです。
アクセサリーボックスとして使用しています。端正でありながら、手仕事や素材による温かさを併せ持つ佇まいに惹かれています。日々身につけるアクセサリーは自宅の中で一箇所に仕舞うのではなく、洗面台、キッチン、寝室、クローゼットなど、色々な場所に置き場を作っています。このシェーカーボックスは最も使用頻度の高いアクセサリーを休ませる場所になっています。

3. “forest parade” ポシェット / minä perhonen
柔らかくしなやかなcalfskinに、草花や鳥や蝶といった森の生き物たちが連なるレースが添えられたバッグです。
普段身につけるものは明るい色のものが多いのですが、シックな色合いで全身をまとめたい時、いつもよりも少し背筋を伸ばす心持ちが必要な時に合わせています。名刺入れとスマホ、ハンカチ、リップや鏡など、見た目以上に納まり、持ち紐の通し方で、肩掛けもハンドバッグのようにも使用できるのも重宝するポイントです。センターに連なるレースは、ブランドを象徴するデザインのひとつでもあり、身につけるだけで背中を押してくれるバッグです。