クリエイターの黒い愛用品 vol.022 蓮池陽子さん

今回のBATONは...
蓮池陽子 研究員

蓮池陽子/料理家
山菜やきのこなど山の恵みを愛し、10数年前から長野に通い続けている。年々「土に還れる体でいたい」の思いが強くなり、これまで以上にすこやかをまんなかに据え、食や暮らし、自然との関わり方を提案していく予定。著書に『ひんやりごはん』『アウトドアでホットサンド』など。レシピ開発、メニューやキッチンツールの監修、出張料理、料理教室など、企画から仕上げまで現場に寄り添いながら幅広く活動中。instagram:@hasuikeyoko

 

 

 

 

さまざまなジャンルのクリエイターが愛用する、黒い愛用品。定番品として今も買うことのできるものから、今ではもう手に入らないレアグッズまでご紹介いただきながら、黒のバトンを繋いでいく連載です。

山の乾物(ぜんまい、きはだの実)

山で採れたものを乾燥させたもの。旬の恵みをそのまま食べるだけでなく、食べ物のすく少ない時期へ備えをしておく。オーガニックという言葉すら必要としない自然そのものの食べ物。

ぜんまいは、生は緑色で周りにわたを纏っています。茹でて干しはじめは赤茶色。1日に何度も揉んでしっかり乾燥すると黒っぽくなります。また山の恵みの中では高価なもので、ご馳走なので、人が集まるお盆やお祭りなどに使います。私は、ケータリングの時やおせち料理に入れます。
キハダは柑橘のような香りがあり、料理のアクセントとして使います。

黒の木漆の小椀/松崎修

大きすぎず小さすぎず、取り皿にも一口丼にもなるとても使い勝手の良い器。自ら木を掘ってから塗るので、一つひとつ微妙に形が異なるのも愛おしいです。

一口丼、麺、あえもの、酢の物などにも。素材が木なので持ち運びにも気を遣わず、外でも使いやすい。松崎さんの漆は、指紋などもまったく気にならず使えるのもうれしいです。

羅臼昆布

強い旨みが特徴の羅臼昆布は、乾燥させるだけの他の昆布とは違い、旨味を出す過程が23もあります。出荷の段階でとても美味しい昆布になっているのが特徴です。

どんな料理に加えても旨味はあれど、メインの味を邪魔しないので、和食だけに止まらずエスニックや洋食などにも大活躍。羅臼漁港に行った時、漁師さんから「味が足りない時はは最後にラーメンや汁物に加えれば良い」と言われ衝撃を受けました。羅臼漁港から直接、1箱15kgの昆布を買わせていただいております。