クリエイターの黒い愛用品 vol.003 真崎嶺さん

今回のBATONは...
真崎嶺 研究員

真崎嶺  グラフィックデザイナー

1990年ニューヨーク生まれのグラフィックデザイナー、ライター、教育者。パーソンズ美術大学でイラストレーションを、クーパー・ユニオンにてタイプデザインを学び、バーモント美術大学でグラフィックデザインの修士号を取得。2017年に拠点を東京へと移し、2022年にStudio RANを設立。2021年8月、日本のデザイン業界における構造的な白人至上主義と西洋化の歴史と文脈についてリサーチをもとに書いた『サラリーマンはなぜサーフボードを抱えるのか?』を個人で出版した。

 

さまざまなジャンルのクリエイターが愛用する、黒い愛用品。定番品として今も買うことのできるものから、今ではもう手に入らないレアグッズまでご紹介いただきながら、黒のバトンを繋いでいく連載です。

1. 無印良品のメイクボックス

2年前からジェルネイルを自分でやるようになりました。特にジェンダー規範に対する主張ではなく、あくまでもセルフケアの一環としてはじめたものです。インターネットやSNS、テレビなど、さまざまな刺激と常につながっている世の中で、あまり深く考えずに細かい作業に集中する時間はとても落ち着きます。週末の朝、使い古した黒い無印のバッグに手を伸ばし、心が静まるこの儀式を楽しんでいます。

2. MYTREXのアイマスク、Loopの耳栓

高校時代にニュージャージーに住んでいたときは部屋が地下にあったので、暗い中で寝ることに慣れていました。今でも真っ暗な環境で寝るのが好きですが、妻は朝の光で目を覚ますのが好きなので、毎晩アイマスクを付けて寝ています。ときどき視覚だけでなく感覚全体を遮断するために耳栓をつけて寝ることもあります。黒という色を思い浮かべるとき、安定、落ち着き、静けさを思い浮かべるので、アイマスクは私にとってそれらを象徴する物なのです。

3. 黒ラブラドールのコンブ

愛犬の黒ラブラドールの「コンブ」は、もちろんモノではなく生き物ですが、この子から受ける愛情は私の不安やストレスを和らげるのに大きな役割を果たしてくれています。いつも仕事のストレスを癒しながら、オーバーワークを防いでくれる存在です。毎晩6時には餌をあげて散歩に行くので、なるべく5時半には仕事を終えるようにしています。私の服にしつこくまとわりつく細い黒毛のように、コンブの存在をいつも身近に感じています。